人材派遣事業では、派遣者ごとの勤怠や給与管理、またクライアント企業ごとの案件や派遣スタッフ管理など膨大な情報を把握する必要があり、人材派遣システムを導入して効率的な業務を行うことが成功への鍵となります。
人材派遣システムとは、Excelや紙での煩雑な管理せず、人材派遣業に必要な以下のような業務の効率化が期待できます。
- 派遣先クライアント企業/案件/派遣スタッフの管理
- 案件と派遣スタッフのマッチング
- 勤怠管理
- 請求管理
- 契約書作成
人材派遣システムを導入する場合、以下の点を確認して進めるとが大切になります。
- 導入目的
- 利用コスト ※ 利用内容によって値段が変化するシステムもあるので要注意
- システムの使いやすさ
但し、高いコストをかけて人材派遣システムを導入しても、費用をかけすぎてしまったり、導入しても利用方法がよく分からず適切な運用できないなどの問題が発生する場合があります。
また自社の業務にぴったりと合う人材派遣システムを探すだけでなく、人材派遣システムの導入を機に業務を整理し、人材派遣システムに業務を合わせることもシステム導入の成功の大切な考え方になるでしょう。
ここでは、数ある人材派遣システムの中から代表的なシステムと、その特徴や機能、またサポートの充実さなどの情報を提供し、お勧めのシステムをご紹介します。
人材派遣システム導入のメリット
人材派遣システムを導入するメリットは多岐にわたります。
1.圧倒的な業務効率化を実現できる
人材派遣システムは、派遣業務の顧客情報の管理や勤怠・給与の管理など煩雑的な業務だけでなく、派遣に必要な契約書や見積・請求書なども簡単に作成する機能を実装しているシステムもあり、日々の業務の対応負担を圧倒的に軽減します。
2.業務を標準化できる
人材派遣システムを導入する場合、業務内容を統一できます。同じシステムを使う社員はマニュアルに沿って運用していくため、システムにより整理されており、無駄がなく業務できます。
3.紙やエクセル管理からの脱却
帳票や契約書などの機能が備えつけられているシステムもあり、散らばってしまっている紙や計算式だらけになってしまったエクセルからの管理が不要になります。システムではデータを保管も出来るため、重要書類の紛失なども防ぐことが可能です。
4.法改定への対応
人材派遣システムは、法改定に自動で対応されるものが多く、電子帳簿保存や定額減税などの法改定時に業務を迅速に切り替えることが可能です。
5.売り上げ増加への貢献
人材派遣システムには、スタッフとのコミュニケーションを取るためのLINE機能や人材を有効活用する掘り起し機能が実装されているものもあり、案件やスタッフの管理だけでなく、売り上げの向上につなげることが可能です。
人材派遣システム機能比較表
価格 | サポート | 標準機能 | |
---|---|---|---|
![]() |
![]() (定額制) 初期費用なし アカウント数無制限 |
![]() サポート |
![]() (スマホ対応) 年末調整機能 事業報告書機能 派遣先勤怠承認 |
![]() |
![]() アカウント数、オプシ ョンに応じて追加料金 あり |
![]() |
![]() (レギュラー派遣) 求職者管理機能 求人案件管理 進捗管理機能 |
![]() |
![]() アプリはオプション にて別途費用 |
![]() |
![]() 契約書作成機能 得意先情報管理機能 |
![]() エクスプレス |
![]() ルインワンプラン) アカウント数、バージ ョンアップに応じて追 加料金あり |
![]() |
![]() クライアント管理 契約書管理 |
![]() ナビゲータ |
![]() ライセンス(ST版) ※その他、オプショ ン・保守費用など追加 料金あり |
![]() |
![]() 請求管理 契約管理 |
![]() Staffing |
![]() ID、初期費用10万円 |
![]() 無償サポート |
![]() 派遣コーディネーター 募集担当DX 経営マネジメントDX |
jobs

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4.8/5点価格
-
4.5/5点機能性
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4.5/5点サポート


総合評価:13.8/15
人材派遣システムの初心者はとにかく「jobs」を導入しておけば問題ないというくらいわかりやすく、サポートも充実している。完全定額制でコストパフォーマンスや、導入後の料金の変更による心配も無用。入門編としては非常にバランスがよいオールマイティーなシステム。
もともとは中小規模の派遣会社がシステム開発に加わり開発されたシステムのため、派遣の業務フローに沿って大変使い勝手のよい。数あるシステムの中でも比較的新しいので、画面設計もわかりやすく、簡単に運用することができる。
価格
初期費用や追加料金がなく定額制の月額3万円のみ、機能の利用制限もないのが特徴のため、アカウント数や登録スタッフ数も無制限で利用できる。
人材派遣システムは従量課金型の価格体系となる場合が多く、導入後に利用コストの変動に直面することがあるが、「jobs」は定額制なので安心して利用することができる。
特徴
画面構成が見やすいので、システム利用に慣れてない方にも簡単に利用できる。
システムは部分的に使えるように設計されているため、自社の業務やペースに合わせ利用シーンを拡張することが可能。
サポート体制が充実しており、専任スタッフの手厚い対応が◎
注目の標準搭載機能
・帳票
・スタッフマイページ
・年末調整機能
・事業報告書機能
・LINE連携
・派遣先勤怠承認機能
・インボイス
マッチングッド

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4/5点価格
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4.2/5点機能性
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3.9/5点サポート


総合評価:12.1/15
画面が見やすく、自身の好きなようにカスタムできるのが良い。
各種帳票類もワンクリックで出力できるので、使いやすい。
価格
初期費用は無料、月額費用は20,000円~。
アカウント数の増加や追加オプションに応じて追加料金が発生する場合があるので、お問い合わせが必要になります。
初回の打ち合わせ後、必要に応じてデモ環境のトライアルを提供。
特徴
求人企業と応募者の情報を一元管理し、求人企業と応募者の最適なマッチングが可能。
帳票や画面表示のカスタマイズが可能。無償だが都度アップデートが必要。
注目の標準搭載機能
・レギュラー派遣向けマッチング機能
・求職者管理機能
・求人案件管理
・進捗管理機能
クロススタッフ

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4.2/5点価格
-
2.8/5点機能性
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3.5/5点サポート


総合評価:10.5/15
スタッフの管理に特化している分、シンプルな使いやすさが〇
給与計算・請求計算機能が無いので、システム外でおこなう必要がある。
価格
初期費用は無料、月額費用は30,000円~。
特徴
「CROSSSTAFF」はスタッフの管理に特化したクラウドサービス。
有料のアプリをダウンロードすることで、スマホでスタッフとのやりとりが可能。
注目の標準搭載機能
・スタッフ情報管理機能
・契約書作成機能
・得意先(派遣先)情報管理機能
4スタッフエクスプレス

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3.2/5点価格
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4.1/5点機能性
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2.9/5点サポート


総合評価:10.2/15
勤怠から給与、請求まで一通りの機能を備えています。
サブスク型と買切型の料金プランがあり、使う機能によっても金額変わってきます。
価格
サブスクリプションは初期費用15万円、月額費用40,000円。パッケージ版は初期費用100万円、月額費用15,000円。年に数回、バージョンアップの際に追加料金あり。
特徴
人材紹介や業務請負委託などのビジネスの業務管理にも対応可能。
ユーザーの要望に合わせて有償でカスタマイズも相談できる。
注目の標準搭載機能
・スタッフ管理
・クライアント管理
・契約書管理
5スタッフナビゲータ

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2.9/5点価格
-
3.8/5点機能性
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3.2/5点サポート


総合評価:9.9/15
20年以上のサービス運用実績のある老舗システム。
機能数も多く、特に派遣スタッフの管理に定評がある。
価格
月額プランは初期費用15万円、月額費用15,000円〜。買取プランは49.8万円〜、導入費用15万円〜。
特徴
スタッフ登録・検索が柔軟に行え、細かな検索機能で、希望通りのスタッフを探し出すことが可能。
資格や特技といった基本情報はもちろん、印象や雰囲気、総合評価などを登録できます。
注目の標準搭載機能
・打刻機能
・請求計算 / 請求書発行
・請求管理
・就業情報 / 契約状況の閲覧
・契約管理
6ポーターズ

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3.3/5点価格
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2.9/5点機能性
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3.2/5点サポート


総合評価:9.4/15
マッチングまでのフロント業務に特化しており、求人媒体との連携も可能。
対応可能範囲が限られている分、使い易い設計になっている。
価格
初期費用は10万円、月額費用は15,000円~。
特徴
人材業務に必要な機能を搭載しながら、人材と企業のマッチングに特化しているシステム。
求人媒体や自社サイトとの連携が可能で、求人・求職者の最新情報の確認や管理ができる。
注目の標準搭載機能
・派遣営業DX
・派遣コーディネーター・募集担当DX
・経営・マネジメントDX
人材派遣会社でDX化を図る時に注意すべき5つのポイント
1.業務形態が合っているか確認
短期派遣、中長期派遣どちらかしか対応していないシステムも多い。
自社の業務形態に合わせたシステムを選ぶ必要がある。
おすすめは短期/中長期どちらにも対応したシステム。
2.既存の業務を残すせるかもチェック
いざ使うとなっても契約書、給与明細書、請求書など一気にすべて使い始められるわけではない。
使い方を覚えながら、段階を追って利用範囲を増やしていく方法が効率的。
その為、既存の対応方法と併用できる、「部分利用が可能なシステム」が好ましい。
3.システム導入にはサポートが不可欠
どんなに簡単なシステムでも、最初はサポートが必要。
特に使い始めは必ず質問も多くなってしまうので、有償サポートだと費用が嵩みがち。
しっかりと使い方を覚えるのであれば、無償のサポートが付いたシステムがおすすめ。
4.費用が高額になりがち
基幹系のシステムは搭載機能が多い分、費用が高額で請求されるケースがある。
特に「○○円~」という価格表記は要注意。アカウント数やID数での課金型は高額になりがち。
月額利用料が定額でも、初期費用が数十万かかることもあるので確認が必要。
5.総合的なバランスが重要
搭載機能は多ければよいという訳ではなく、要らない機能が邪魔になり使いにくくなる。
逆に機能数が少なすぎても、出来ることが限られてしまうので使いにくくなる。
大切なのは価格を含めた総合的なバランスをみてシステムを選定すること。
まとめ
人材派遣システムは、導入メリットも多岐にわたり、その効果は非常に高いと考えられます。
一方で、導入後に費用が嵩んでしまうケースや、システム運用者がサポートを受けられず、未稼働のままシステムが放置されるケースに陥らないよう注意しなければなりません。
人材派遣業界だけでなくシステム導入で高いメリットを得る為には、まずは、システムの特徴をしっかりと理解し、システムの特徴だけでなく、価格帯系やサポート体制についても注意して検討することが必要になります。